OSTEOPOROSIS

骨粗しょう症

2026.05.07

「身長が縮んだ気がする」「背中が丸くなってきた」「ちょっと転んだだけで骨折してしまった」——こうしたサインは、骨粗しょう症が進行していることを示している可能性があります。

骨粗しょう症は、自覚症状がないまま骨が弱くなり、ちょっとしたきっかけで骨折を起こすようになる病気です。一度骨折すると寝たきりや要介護のきっかけになることもあるため、早めの予防と治療が大切です。

ケルソンファミリークリニックは、心療内科と内科を併設した家族向けクリニック。大泉学園駅より西武バスにて「大泉郵便局」下車、徒歩1分です。土日祝日も診療し、オンライン診療にも対応しています。「病院に行くのは少し怖い」——その最初の一歩を、私たちと一緒に踏み出しませんか。

骨と健康について

骨は一見すると変化のない硬い組織ですが、実は生きた組織で、常に古い骨が壊され、新しい骨が作られる「リモデリング」を繰り返しています。このバランスが崩れて、壊される量が作られる量を上回ると、骨はだんだんスカスカになっていきます。

骨密度のピークは20代で、その後は加齢とともに少しずつ低下していきます。とくに女性は閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)の減少により急激に骨密度が下がるため、骨粗しょう症のリスクが高くなります。

骨粗しょう症の患者数は日本で約1,300万人と推定され、うち約8割が女性です。「年のせいだから仕方ない」と思われがちですが、適切な治療と生活習慣の改善で骨密度の低下を抑え、骨折を予防することができます。

ケルソンファミリークリニックでは、内科併設の強みを活かし、骨密度の評価が必要な場合は連携医療機関での検査をご案内し、治療を継続的にサポートします。

骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症は、骨の量(骨密度)が減ったり、骨の質(構造)が悪くなったりして、骨の強度が低下し、骨折しやすくなった状態を指します。

主な原因は次の通りです。

一次性骨粗しょう症(生活習慣・加齢が関わるもの)

  • 閉経後骨粗しょう症:女性ホルモンの減少(最も多い)
  • 加齢による骨量低下:男女ともに60代以降で進行
  • 生活習慣:カルシウム不足・運動不足・日光不足・喫煙・過度の飲酒・極端なダイエット

二次性骨粗しょう症(病気や薬が原因のもの)

  • 甲状腺・副甲状腺の病気
  • 糖尿病・関節リウマチ・慢性腎臓病
  • ステロイド薬の長期使用
  • 胃切除後・吸収不良症候群

骨粗しょう症の診断は、骨密度測定(DXA法)が標準的です。腰椎・大腿骨頸部の骨密度を測定し、若い成人の平均値(YAM)と比較して評価します。YAM値の70%以下、または既往の骨折があれば骨粗しょう症と診断されます。

ケルソンファミリークリニックでは、リスクの高い方には連携医療機関での骨密度測定をご案内します。

骨粗しょう症の特徴と症状について

骨粗しょう症は、初期段階ではほとんど自覚症状がないのが大きな特徴です。骨折を起こして初めて気づかれることも少なくありません。

気づきのサインと進行のサイン

進行を示す身体のサイン

  • 身長が3cm以上縮んだ
  • 背中・腰が曲がってきた
  • 背中や腰の痛みが続く
  • 重いものを持つと痛む
  • 立ち上がりや歩行で違和感

起こりやすい骨折部位

  • 背骨(椎体圧迫骨折):いつの間にか折れていることもあります
  • 手首(橈骨遠位端骨折):転んで手をついた際に
  • 太もも付け根(大腿骨頸部骨折):転倒で起こり、寝たきりの大きな原因
  • 腕の付け根(上腕骨近位端骨折):転倒時に肩を打って

こんな方は骨密度測定を

  • 65歳以上の女性、70歳以上の男性
  • 閉経後の女性
  • 身長が若い頃より3cm以上縮んだ
  • ちょっとしたことで骨折したことがある
  • 親・兄弟姉妹に大腿骨頸部骨折の方がいる
  • やせ型・低体重
  • ステロイド薬を3ヶ月以上服用している
  • 関節リウマチ・糖尿病・慢性腎臓病がある
  • 過度なダイエット経験がある
  • 運動不足・日光不足が続いている

骨粗しょう症の改善方法と治療について

骨粗しょう症の治療は、食事・運動・日光浴といった生活習慣の改善を土台に、必要に応じて薬物療法を組み合わせます。

1. 薬物療法

骨折リスクや骨密度の状態に応じて、適切な薬が選ばれます。

  • ビスホスホネート製剤:骨吸収を抑える代表的な薬。経口・注射・点滴がある(アレンドロネート・リセドロネート・ミノドロン酸・ゾレドロン酸など)
  • SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター):閉経後の女性に。エストロゲンに似た作用で骨を守る
  • 抗RANKL抗体製剤(デノスマブ):6ヶ月に1回の皮下注射で骨吸収を強く抑える
  • 副甲状腺ホルモン製剤(テリパラチド):骨を作る働きを促進する。重症例に
  • 抗スクレロスチン抗体(ロモソズマブ):骨形成促進と骨吸収抑制の両方の作用
  • 活性型ビタミンD3製剤:腸からのカルシウム吸収を助ける
  • カルシウム製剤・ビタミンK2製剤:補助的に

ビスホスホネートは服用方法に注意が必要です(朝起きてすぐ、十分な水で、その後30分は横にならない、食事を取らないなど)。医師の指示に従って服用しましょう。

2. 食事療法

骨を作る材料となる栄養素を意識的に摂りましょう。

  • カルシウム:1日700〜800mg。乳製品・小魚・大豆製品・緑黄色野菜
  • ビタミンD:カルシウムの吸収を助ける。鮭・さんま・きのこ類
  • ビタミンK:骨の質を高める。納豆・緑黄色野菜
  • タンパク質:骨の土台。肉・魚・卵・大豆製品
  • 塩分・カフェイン・アルコールを控えめに:取りすぎはカルシウムの排出を増やす

3. 運動療法

骨に適度な負荷をかけることで、骨を丈夫に保つことができます。

  • ウォーキング:1日30分程度から
  • 片脚立ち:1分ずつ左右、1日3回(バランスと骨刺激)
  • 軽いスクワット:太ももと骨盤の刺激
  • 背筋を伸ばすストレッチ:背中の丸まり予防

無理のない範囲で、毎日続けることが大切です。

4. 転倒予防

骨折を防ぐには、転ばない工夫も同じくらい重要です。

  • 室内の段差を減らす:マット・コード類・敷物のずれに注意
  • 手すりの設置:階段・浴室・トイレ
  • 明るい照明:夜間のトイレなど
  • 滑りにくい靴・スリッパ
  • 視力・聴力のチェック
  • 筋力・バランス運動を継続

5. 生活全般でのセルフケア

  • 日光浴:1日15〜30分、肌に日光を当てる(ビタミンDの合成に必要)
  • 禁煙・節酒:骨密度低下の大きな要因
  • 適正体重の維持:やせすぎは骨密度低下のリスク
  • 定期的な骨密度測定:治療中も2年に1回程度の評価を

骨粗しょう症は、早めの予防と治療によって骨折を防げる病気です。健診で骨密度の低下を指摘された方、ご家族の骨折が気になる方、まずはお気軽にケルソンファミリークリニックまでご相談ください。大泉学園駅より西武バスにて「大泉郵便局」下車、徒歩1分。土日祝日も診療、オンライン診療にも対応しています。

執筆

田中 良恵

ケルソンファミリークリニック院長

2003年 島根大学医学部卒業。東京女子医科大学病院での研修を経て、精神科・プライマリーケア・訪問診療の領域で臨床経験を積む。アメリカ テキサス州での事業経営を経験したのち帰国。東京武蔵野病院精神科を経て、2026年6月 ケルソンファミリークリニックを開院。精神保健指定医、日本医師会認定産業医。