「胸がドキドキする」「息が浅くて苦しい」「不意に心臓が跳ねるような感覚がある」——こうした動悸や息苦しさが続くと、まず心配になるのは「心臓の病気では?」という不安ではないでしょうか。一方で、検査を受けてみると心臓に異常はなく、ストレスや自律神経の乱れが背景にあるケースも少なくありません。
外来を担当していると、「動悸 息苦しい ストレス」というキーワードで検索してから来院される方は、想像以上に多くいらっしゃいます。心臓由来なのか、ストレス由来なのか、ご自分では判断がつかず、受診すべきかどうかでも悩んでおられる方も多くいらっしゃいます。
この記事では、ケルソンファミリークリニック院長の立場から、動悸・息苦しさの背景にある原因の整理、ご自分で気づきやすい見分け方の目安、受診を検討してよいタイミング、当院でできる検査の流れ、そして日常生活のセルフケアまでを丁寧にまとめました。
動悸・息苦しさとはどのような状態か

「動悸」の医学的な意味
「動悸(どうき)」とは、普段は意識していない心臓の鼓動が、強く・速く・あるいは飛ぶように感じられる状態を指します。安静時に脈拍が1分間に100回以上になる「頻脈」、脈が一拍抜けるように感じる「期外収縮」、リズムが乱れる「不整脈」など、自覚の仕方は人によってさまざまです。
「息苦しい」が指す幅広い感覚
「息苦しい」は医学的に呼吸困難感と呼ばれます。空気が十分に入ってこない感覚、胸が締めつけられる感じ、深呼吸をしても満足できない感じなど、幅のある表現を含みます。動悸 息苦しい ストレスのように、両者がセットで起こることが多く、原因はしばしば重なり合います。
自己判断にこだわらない姿勢が大切
大切なのは、「異常かどうか」を最初からご自分一人で結論づけようとしないことです。「気になるから一度確認しておく」という姿勢が、結果としていちばん安全で、安心にもつながります。動悸 何科を受診すればよいか迷う段階でも、心療内科×内科併設の当院であればまとめてご相談いただけます。
動悸・息苦しさの主な原因は4つ
外来で動悸・息苦しさのご相談を受けるとき、原因は大きく4つのカテゴリーに整理できることが多いです。一つに当てはまるとは限らず、複数の要因が重なっていることもあります。
1. ストレス・自律神経の乱れ
もっとも多く出会うタイプです。仕事・家庭・人間関係などの慢性的なストレスや、急な環境変化によって自律神経のバランスが崩れると、心臓自体は健康でも動悸・息苦しさが現れることがあります。
パニック障害・不安障害・自律神経失調症・適応障害などが背景に隠れているケースもあり、放置すると慢性化する可能性があります。「動悸 自律神経」というキーワードで来院される方の多くは、このカテゴリーに該当します。
2. 心臓由来(循環器疾患)
頻度としては前者より少ないものの、見逃したくないグループです。不整脈・狭心症・心筋梗塞・心不全・弁膜症などが含まれます。特に「冷や汗を伴う胸の痛み」「失神しそうな感覚」を伴う動悸は、心臓由来の可能性も考えて対応します。循環器疾患について公的な情報を確認したい方は、日本循環器学会のサイトもご参照ください。
3. 内科疾患(甲状腺・貧血・低血糖など)
心臓そのものに異常がなくても、内科疾患によって動悸が起こることがあります。代表的なのは甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、鉄欠乏性貧血、低血糖、感染症、脱水などです。動悸 甲状腺と検索される方も多く、女性に多いタイプです。当院では血液検査で簡単にスクリーニングできます。
4. 生活習慣・薬剤・更年期など
カフェインの摂りすぎ、アルコール、喫煙、睡眠不足、過度なダイエット、更年期のホルモン変化、一部の薬剤(風邪薬・喘息薬・サプリメントなど)も動悸の引き金になります。これらは生活調整で改善することも多いカテゴリーです。
ストレス由来か、心臓由来か——見分け方の目安
「動悸 息苦しい ストレス」というキーワードで来院される方が多いように、ストレス由来か心臓由来かの見分けは、ご自分では難しく感じられがちです。以下に挙げる特徴はあくまで医学的な目安で、最終的な診断は診察と検査で行います。ご自分で「どちらの可能性が高そうか」を考える際の参考としてご覧ください。
ストレス・自律神経由来の動悸に多い特徴
- 状況に左右されやすい(人前・乗り物・夜間など)
- 横になって安静にすると治まることが多い
- 心電図・血液検査でははっきりした異常が出にくい
- めまい・倦怠感・頭痛・胃腸症状など、ほかの自律神経症状を伴うことがある
- 「死んでしまうのではないか」という強い不安や予期不安を伴うことがある
心臓由来の可能性を考えたい動悸の特徴
- 運動や労作と関係なく、突然強く出る
- 冷や汗・吐き気・胸の痛み・めまいを伴う
- 1時間以上続く、もしくは気を失いそうになる
- もともと高血圧・脂質異常症・糖尿病など循環器リスクがある
- 近親者で50歳未満で心臓病で急逝した方がいる
「迷ったら救急」の具体的な目安
過剰な不安をあおりたくないのですが、以下のような場合は迷わず救急要請(119)をご検討ください。
- 冷や汗を伴う胸の痛みが15分以上続く
- 意識が遠のく・実際に失神した
- 呼吸が浅く速い状態が数分以上続き、唇や指先が紫色になる(チアノーゼ)
このいずれにも当てはまらず、横になって少し休むと落ち着いてくる動悸であれば、まずは落ち着いて翌日以降に医療機関へご相談いただく形でも遅くないことが多いです。
背景に潜む主な疾患

動悸・息苦しさの背景には、いくつかの疾患が関わっていることがあります。ここでは外来でよく出会うものを中心にご紹介します。詳細はそれぞれのページもご覧ください。
パニック障害
突然の強い動悸・息苦しさ・めまい・「死んでしまうのではないか」という強い恐怖が、数分から数十分続く発作を繰り返すタイプです。検査をしても心臓に異常はなく、発作が起こるのではないかという予期不安に苦しまれる方も多くいらっしゃいます。「パニック障害 動悸」で検索される方も多く、繰り返す発作と予期不安が大きな特徴です。詳しくはパニック障害のページもご参照ください。
自律神経失調症
自律神経のバランスが乱れ、動悸・息苦しさだけでなく、めまい・倦怠感・冷え・胃腸症状などが複合的に出るタイプです。「自律神経失調症 動悸」と検索される方の多くは、めまい・倦怠感など他の自律神経症状を併発しています。慢性的なストレスや生活リズムの乱れが背景にあることが多く、生活調整と必要に応じた治療で改善を目指します。自律神経失調症のページもあわせてご覧ください。
不安障害・全般性不安障害
明確な発作というよりは、漠然とした不安や緊張が長く続き、動悸・息苦しさ・肩こり・不眠などにつながるタイプです。不安障害のページと全般性不安障害のページに詳しくまとめています。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、安静時にも動悸・発汗・体重減少・手のふるえなどが起こります。血液検査で甲状腺ホルモン(TSH・FT3・FT4)を測ることでスクリーニングできます。
鉄欠乏性貧血
女性に多く、月経や食事の偏りなどから鉄分が不足し、酸素を運ぶ赤血球の機能が落ちることで、動悸・息切れ・倦怠感が出ます。こちらも血液検査で確認できます。
不眠・睡眠の質の低下
慢性的な睡眠不足は自律神経を乱し、動悸・息苦しさを誘発することがあります。「眠れない夜があってからドキドキするようになった」という方もいらっしゃいます。不眠症のページもあわせてご覧ください。
受診すべきタイミング——3つの目安
外来でうかがっていると、「これくらいで受診してもよいのだろうか」と迷われる方が非常に多い印象です。次の3つを目安にお伝えしています。一つでも当てはまれば、受診を前向きに検討してよいタイミングです。
1. 症状が1週間以上続いている
一過性のものであれば自然に治まることもありますが、1週間を超えて動悸・息苦しさが続くようであれば、原因を一度整理しておいたほうが安心です。
2. 週3回以上の頻度で起きている
頻度が高くなってきた場合は、生活への影響が大きくなり、不安そのものが症状を悪化させる悪循環に入りやすくなります。早めに見立てを立てておくことをおすすめします。
3. 仕事・睡眠・家事に支障が出ている
「仕事中に集中できない」「夜中に動悸で目が覚める」「家事の途中で立ち止まってしまう」など、日常生活に支障が出ている段階は、立派な受診理由です。「これくらいで」と遠慮されなくて大丈夫です。
ご予約は「初めての方へ」からどうぞ。WEBまたはお電話でお受けしています。
当院でできる検査の流れ
ケルソンファミリークリニックは、心療内科×内科を併設したファミリー診療クリニックです。動悸・息苦しさのように「心と体のどちらか分からない」症状でも、ひとつの窓口でまとめて評価できるのが特徴です。どの病院を受診すればよいか迷う段階で、お気軽にご相談いただけます。
STEP1. 問診(5〜10分)
いつから・どのような場面で・どれくらい続くか・他に伴う症状はあるかを丁寧に伺います。生活リズム・お仕事・ご家族の状況・睡眠の状態など、心と体の両面からお話を伺います。
STEP2. 身体所見・心電図
血圧・脈拍・呼吸数・酸素飽和度(SpO₂)・聴診を確認し、必要に応じて12誘導心電図を行います。動悸 心電図と検索される方も多いですが、外来でその場で実施可能です。発作が頻繁な方には、後日にホルター心電図(24時間心電図)を検討することもあります。
STEP3. 血液検査
必要に応じて、甲状腺機能(TSH・FT3・FT4)、貧血(ヘモグロビン)・鉄欠乏(フェリチン)、電解質、血糖、肝腎機能などを確認します。動悸 甲状腺・動悸 不整脈の鑑別に重要なステップです。
STEP4. 心療内科的な評価
必要に応じて、抑うつ・不安・睡眠の状態をうかがう質問票(PHQ-9:抑うつの程度、GAD-7:不安の程度、AIS:睡眠の質)を併用し、心の負担の度合いを客観的に整理します。「気のせいかも」と感じている方ほど、可視化することで安心される印象があります。
STEP5. 方針のご相談
結果をもとに、「経過観察でよさそうか」「生活調整から始めるか」「お薬を併用するか」「循環器など他科の専門医と連携するか」を、ご本人と一緒に決めていきます。いきなりお薬を始めることはありません。ご本人の意向を最優先に、無理のない方針を立てていきます。
STEP6. 必要に応じた連携
当院での検査で循環器の精密検査が必要と判断した場合は、近隣の専門医療機関へご紹介します。逆に、他院で「心臓は異常なし」と言われたあとに残った動悸・息苦しさのご相談も歓迎しています。
「動悸 息苦しい ストレス」で迷っている段階でのご予約も、「初めての方へ」から承っています。
日常生活でできるセルフケア
日々の外来で実感するのは、ご自分でセルフケアを続けていただくと「自分でコントロールできる感覚」が戻ってきて、不安そのものが軽くなっていかれる方が多いということです。あくまで医療と並行して取り入れていただくものとしてご紹介します。
1. 呼吸を整える
セルフケアの基本は呼吸です。4秒かけて鼻から吸い、6〜8秒かけて口からゆっくり吐く腹式呼吸を、1セット5〜10呼吸×1日数回試してみてください。広く知られる呼吸法ですが、長く吐くことで副交感神経が優位になりやすくなります。
2. カフェイン・アルコール・ニコチンを見直す
コーヒー・エナジードリンク・濃いお茶・アルコール・タバコは、動悸を誘発しやすい代表的な要素です。完全にやめなくても、夕方以降を控える・1日の杯数を減らすなど、少しずつ調整するだけでも変化が出ることがあります。
3. 睡眠を整える
就寝・起床時間をできるだけ一定にし、寝る前のスマホやPC作業を減らしてみてください。睡眠が浅い状態が続くと、自律神経が乱れ、動悸・息苦しさが起こりやすくなります。
4. 軽い運動を取り入れる
週3回程度・1回20〜30分のウォーキングや、ストレッチ・ヨガなど軽めの有酸素運動が向いています。激しい運動である必要はなく、「少し汗ばむ」くらいの強度を継続することがポイントです。
5. 「動悸日記」をつけてセルフモニタリング
起きた時刻・場面・持続時間・前後のできごとを簡単にメモしておくと、外来でもパターンが見えやすくなります。あわせて「最近少し眠りが浅い」「胃の調子が悪い」など、動悸以外のサインに早めに気づけると、症状が大きくなる前に対処しやすくなります。スマホのメモアプリでも構いません。
動悸・息苦しさの予防策
1. 休息のリズムを意識する
「忙しい時期があってもよいけれど、忙しい状態が常態化していないか」を、定期的に振り返ってみてください。週単位・月単位で、意識的に休む日を作っておくと、自律神経が乱れにくくなります。
2. ストレスを溜め込まない仕組みづくり
家族・友人・職場の信頼できる人と、こまめに話せる関係性を保つこと。趣味や運動など、仕事以外の「気持ちを切り替える時間」を持つことも、長期的な予防につながります。
3. 定期健診・血液検査
年に1回は、血圧・心電図・血液検査・甲状腺機能などを含む健診を受けておくと、内科的な原因の見落としを減らせます。
よくあるご質問
Q1. 動悸・息苦しさのご相談は保険診療の対象ですか?
はい、ほとんどの場合、保険診療の対象になります。心電図・血液検査・心療内科的な評価も保険診療の範囲内で行えます。詳しくは受付や初めての方へもご参照ください。
Q2. 予約は必要ですか?
原則として予約優先制です。Webまたはお電話からご予約いただけます。当日でも空きがあればご対応できる場合がありますので、お困りの際はまずお問い合わせください。
Q3. オンライン診療でも対応できますか?
症状が安定している方や、忙しくて来院が難しい方にはオンライン診療もご利用いただけます。ただし、初診や心電図・血液検査が必要なタイミングでは対面診療をおすすめする場合があります。
Q4. お薬を飲むことに抵抗があります
「いきなりお薬から」ではなく、生活調整・呼吸法・認知の整理・カウンセリング的な対話などから始める選択肢もあります。ご本人が納得できる治療方針を一緒に組み立てていきますので、ご遠慮なく希望をお伝えください。
Q5. 家族と一緒に受診してもよいですか?
もちろん歓迎します。ご家族と一緒の受診は大歓迎です。ご本人だけでは説明しづらい状況も、ご家族からのお話で見立てがクリアになることがあります。ファミリー診療を掲げる当院ならではの強みでもあります。
Q6. どれくらいで楽になりますか?
原因・経過・生活背景によって異なるため一概には言えませんが、ストレス・自律神経由来のケースでは、生活調整と必要に応じた治療を組み合わせることで、徐々に楽になっていかれる方が多い印象です。「短期間で完全に元通り」を目指すよりも、少しずつ整えるイメージでご一緒できればと思います。
Q7. クリニックへのアクセスは?
ケルソンファミリークリニックは東京都練馬区大泉学園にあります。大泉学園駅から西武バス『大泉郵便局』下車、徒歩1分です。お車でお越しの方向けの案内も、受付までお問い合わせください。
おわりに——判断のために来院する、家族単位で診る
動悸・息苦しさは、心臓由来・ストレス由来・内科疾患由来など、複数の原因が重なり得る症状です。原因をご自分で見極めてから受診する必要はありません。
「これは心臓なのか、ストレスなのか分からない」という状態のままご来院いただいて構いません。
判断のために来院していただく——そのために当院のような心療内科×内科併設のクリニックがあります。動悸 息苦しい ストレスのいずれにも対応できる体制で、外来でお待ちしています。
また、ケルソンファミリークリニックでは、ご本人だけでなくご家族と一緒の受診も大歓迎です。お一人で抱え込みがちな症状ほど、ご家族と共有しながら見立てを進めたほうが、結果として早く落ち着くことが多いと感じています。
私たちは「個人」ではなく「ご家族単位」で寄り添える地域のかかりつけクリニックでありたいと考えています。
「動悸が続いて不安だ」「息苦しさが取れない」「何科に行けばよいか分からない」——そのような迷う段階でこそ、お気軽にご相談ください。
アクセスは大泉学園駅から西武バス『大泉郵便局』下車、徒歩1分です。土日祝の診療やオンライン診療にも対応していますので、生活スタイルに合わせてご利用ください。