INSOMNIA

不眠症(睡眠障害)

2026.05.07

「夜なかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目が覚めてしまう」「寝ても疲れが取れない」——そんな状態が週に何日も続き、日中の不調につながっているなら、それは不眠症のサインかもしれません。

睡眠の悩みは日本人に非常に多く、厚生労働省の調査では成人の約2割が睡眠の問題を抱えているとされています。適切な治療と生活の工夫で、多くの方は眠れるようになります。

ケルソンファミリークリニックは、心療内科と内科を併設した家族向けクリニック。大泉学園駅より西武バスにて「大泉郵便局」下車、徒歩1分です。土日祝日も診療し、オンライン診療にも対応しています。「病院に行くのは少し怖い」——その最初の一歩を、私たちと一緒に踏み出しませんか。

睡眠障害について

睡眠障害は、眠りに関するさまざまな不調の総称です。代表的なものに、不眠症・睡眠時無呼吸症候群・むずむず脚症候群・ナルコレプシー(日中の過度な眠気)などがあります。

睡眠は、こころと体の回復に欠かせない大切な時間です。慢性的な不眠は、日中のパフォーマンス低下だけでなく、うつ病・不安障害・生活習慣病のリスクにもつながることが知られています。「寝不足くらい大丈夫」と放置せず、早めのケアが大切です。

不眠の背景には、ストレス・生活リズムの乱れ・体の病気・服用中の薬・別のメンタル疾患(うつ病・不安障害等)など、さまざまな要因が絡み合っていることがあります。

とくに近年は、スマートフォン・SNS・夜勤・交代勤務など、睡眠リズムを乱しやすい環境が増えています。慢性的な睡眠不足は集中力や判断力の低下につながるだけでなく、免疫機能・血糖値・血圧のコントロールにも影響し、生活習慣病のリスクを高めることが知られています。

ケルソンファミリークリニックでは、身体疾患との関連も含めて丁寧に見立てていきます。

不眠症とは?

不眠症は、睡眠の問題が週に数日以上・1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲不振などの不調が現れる状態を指します。単に眠れない夜があるだけでは不眠症ではなく、「眠れないことで日常生活に支障が出ている」ことが診断の目安です。

不眠症は、眠りのどの部分に問題があるかで4つのタイプに分けられます。

  • 入眠障害:寝つくまでに30分〜1時間以上かかる
  • 中途覚醒:夜中に何度も目が覚め、眠りが浅い
  • 早朝覚醒:普段より30分以上早く目覚め、二度寝できない
  • 熟眠障害:睡眠時間は十分でも、疲れが取れず熟睡感がない

これらは単独で現れることも、複数重なって現れることもあります。

不眠症の背景には、ストレスや生活習慣の乱れだけでなく、うつ病や不安障害などのこころの病気、睡眠時無呼吸症候群などの身体疾患が隠れていることもあります。原因を見極めることで、効果的な治療方針が決まります。

一時的な不眠は誰にでもありますが、週に3回以上・3ヶ月以上続く場合は「慢性不眠症」として治療の対象になります。「眠れないまま朝を迎える」ことへの不安そのものが、さらに眠れなさを強める悪循環に陥ることも多いため、早めの相談が大切です。

ケルソンファミリークリニックでは、内科併設の強みを活かし、身体面・こころ面の両方から原因を丁寧に確認します。

不眠症の特徴と症状について

不眠症の症状は、夜間の睡眠の問題・日中の不調・生活への影響の3つの面に現れます。

具体的な症状例

夜間の睡眠の問題

  • ベッドに入っても30分以上寝つけない
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 一度起きると再び眠れない
  • 起きたい時刻より早く目覚めてしまう
  • 睡眠時間のわりに疲れが取れない
  • 悪夢・眠りが浅い感覚

日中の不調

  • 倦怠感・疲れが抜けない
  • 集中力・記憶力の低下
  • 眠気・居眠り
  • イライラ・気分の落ち込み
  • 頭痛・めまい
  • 食欲の変化

生活への影響

  • 仕事や家事の効率が落ちる
  • ミスや事故のリスクが増える
  • 対人関係が億劫になる
  • 運動する気力がわかない
  • 休日でもリフレッシュできない

眠れないこと自体への不安やプレッシャーが、さらに眠りを悪化させる悪循環に陥りやすいのも不眠症の特徴です。「寝なければ」と意識するほど眠れなくなる、という経験をされる方は多くいらっしゃいます。

不眠症の改善方法と治療について

不眠症の治療は、生活習慣・睡眠環境の見直し(睡眠衛生)を土台に、認知行動療法と必要に応じた薬物療法を組み合わせます。世界的には、不眠症認知行動療法(CBT-I)が第一選択とされています。

1. 薬物療法

眠れない状態がつらい場合や、急性の不眠には、次のような睡眠薬が用いられます。

  • ベンゾジアゼピン系睡眠薬:即効性はあるが依存リスクがあるため、短期間の使用が基本
  • 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Z薬):ふらつき等の副作用が比較的軽い
  • メラトニン受容体作動薬(ロゼレム):体内時計を整える作用で、依存リスクが低い
  • オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ・デエビゴ):自然な眠気を誘う新しいタイプの薬で、依存リスクが低い

医師が症状と生活に合わせて選び、必要最小限の期間・量で使用します。自己判断での中断は不眠の再燃につながるため、必ず医師と相談しながら調整しましょう。

2. 心理社会的サポート(CBT-I)

不眠症認知行動療法(CBT-I) は、世界各国のガイドラインで第一選択に位置づけられている治療法です。薬と違い、治療終了後も効果が続くという大きな利点があります。

CBT-Iの主な要素:

  • 睡眠制限法:ベッドで過ごす時間を短くして睡眠を濃縮する
  • 刺激制御法:ベッド=眠る場所と脳に覚えさせる
  • 認知再構成:「眠れなかったらどうしよう」といった考え方を見直す
  • リラクセーション法:呼吸法・筋弛緩法で緊張をほぐす

3. 職場や学校での工夫

  • 夜勤・交代勤務がある場合は、睡眠リズムを優先した調整を相談する
  • 帰宅後すぐの強い光・画面を避ける
  • カフェイン入りの飲み物は午後以降控える
  • 昼寝は15時まで、20分以内に

4. 家庭での工夫

  • 家族の就寝時間のズレを最小限に
  • 寝室を「眠るための場所」として保つ
  • 本人の眠れない辛さを否定しない
  • リラックスできる夜の時間を一緒につくる

5. 生活全般でのセルフケア(睡眠衛生)

厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針」でも推奨されている基本的な工夫です。

  • 起床時刻を固定:就寝時刻より起床時刻の固定が重要
  • 朝日を浴びる:体内時計のリセットに有効
  • 日中の軽い運動:ウォーキング・ヨガなど
  • 寝る前のスマホ・パソコン・強い光を避ける
  • カフェイン・アルコール・ニコチンは睡眠の質を下げる
  • ぬるめの入浴:就寝1〜2時間前の入浴が寝つきを助ける
  • 寝室を暗く・静かに・適温に

不眠症は、適切な治療と生活の工夫で多くの方が改善する病気です。一人で抱え込まず、まずはお気軽にケルソンファミリークリニックまでご相談ください。大泉学園駅より西武バスにて「大泉郵便局」下車、徒歩1分。土日祝日も診療、オンライン診療にも対応しています。

執筆

田中 良恵

ケルソンファミリークリニック院長

2003年 島根大学医学部卒業。東京女子医科大学病院での研修を経て、精神科・プライマリーケア・訪問診療の領域で臨床経験を積む。アメリカ テキサス州での事業経営を経験したのち帰国。東京武蔵野病院精神科を経て、2026年6月 ケルソンファミリークリニックを開院。精神保健指定医、日本医師会認定産業医。