GENERALIZED ANXIETY DISORDER

全般性不安障害(GAD)

2026.05.07

「理由なく不安が消えない」「些細なことでも心配で眠れない」「体が常に緊張している」——そんな状態が半年以上続いているなら、それは全般性不安障害(GAD)のサインかもしれません。

全般性不安障害は、将来や日常のあらゆることに対する漠然とした不安や心配が過剰に続く病気です。適切な治療で改善が期待できる病気で、「心配性」や「気にしすぎ」で片づけられるものではありません。

ケルソンファミリークリニックは、心療内科と内科を併設した家族向けクリニック。大泉学園駅より西武バスにて「大泉郵便局」下車、徒歩1分です。土日祝日も診療し、オンライン診療にも対応しています。「病院に行くのは少し怖い」——その最初の一歩を、私たちと一緒に踏み出しませんか。

不安症について

不安症(不安障害)は、過度な不安や恐怖が長期間続き、日常生活に支障をきたす疾患群の総称です。代表的なものに、全般性不安障害・パニック障害・社交不安障害・強迫性障害などがあります。

人間にとって不安は、危険を察知して身を守るために必要な感情です。しかしその不安が常に強く、自分の意志でコントロールできない状態になると、こころと体に大きな負担がかかり、生活に支障が出るようになります。不安症は脳の不安処理システムが過敏になっている状態と考えられ、決して「性格の問題」ではありません。

厚生労働省の調査でも、不安障害は国内に相当数の患者がいると推定されていますが、「ただの心配性」として気づかれず、受診に至らないケースも多い病気です。早めに気づき、適切なケアを受けることが回復への近道です。

不安症は、うつ病と併発しやすいことも知られています。長く不安を抱え続けると、気持ちが沈みやすくなったり、意欲が出ない状態につながったりすることがあるため、「不安だけ」のうちに相談することが回復までの期間を短くします。

全般性不安障害とは?

全般性不安障害(GAD: Generalized Anxiety Disorder)は、日常のさまざまな出来事や活動に対するコントロールできない過剰な不安や心配が、6ヶ月以上ほぼ毎日続く病気です。「心配性を通り越して、不安そのものが生活を覆い尽くしてしまう」状態と言えます。

心配の対象は多岐にわたります。仕事のミス、家族の健康、経済状況、将来の生活、ちょっとした遅刻、天気、ニュースの出来事——。自分でも「考えすぎだ」とわかっていても、頭から離れず、常に緊張した状態が続きます。

こうした精神的な不安は、身体症状としても現れます。慢性的な筋肉のこわばり、頭痛、疲れやすさ、動悸、発汗、口の渇き、めまい、不眠など、さまざまな不調が重なることも少なくありません。

全般性不安障害は、不安症の中でも認知度が低く、長年「ただの心配性」として見過ごされているケースも多い病気です。しかし、認知行動療法や薬物療法で改善が期待できます。

動悸・めまい・頭痛・胃の不調などの身体症状が先行して、内科を何度か受診した末に不安症と分かるケースも少なくありません。検査で異常が出ないのに体調が続かない場合は、こころの状態も含めて見立てていくことが大切です。

ケルソンファミリークリニックでは、内科併設の強みを活かし、身体症状とこころの症状の両面から背景を見立てていきます。

全般性不安障害の特徴と症状について

全般性不安障害の症状は、こころ・からだ・睡眠や生活の3つの面に現れます。

具体的な症状例

こころの症状

  • 理由のはっきりしない漠然とした不安
  • 多方面への過剰な心配(仕事・健康・家族・お金など)
  • 集中できない・頭が働かない
  • 物事を悪いほうに考えてしまう
  • イライラしやすい
  • 強い緊張感が抜けない

からだの症状

  • 筋肉のこわばり(肩・首・背中)
  • 動悸・息苦しさ
  • 発汗・手足の震え
  • めまい・ふらつき
  • 頭痛・肩こり
  • 口の渇き・吐き気・胃の不快感
  • 疲れが抜けない・倦怠感

睡眠・生活への影響

  • 寝つきが悪い・夜中に目が覚める
  • 熟睡感がない
  • 小さな物音で驚く
  • 休みの日もリラックスできない
  • 仕事や家事の効率が落ちる

不安や心配の対象が日によって変わりつつも、常に「何かしら」心配事があるのが特徴です。身体症状だけが目立って、内科を受診しているうちに不安症と分かるケースもあります。

全般性不安障害の改善方法と治療について

全般性不安障害の治療は、認知行動療法と薬物療法を組み合わせることが有効とされています。焦らず、自分に合うやり方を医師と一緒に見つけていきましょう。

1. 薬物療法

薬物療法の第一選択は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬) といった抗うつ薬です。うつ病だけでなく不安症状にも効果が期待でき、長期的に使いやすいため、国内外のガイドラインで推奨されています。効果が出るまでには2〜4週間ほどかかります。

一時的に強い不安や不眠がある場合は、抗不安薬や睡眠薬が補助的に使われることもありますが、依存性の観点から長期連用は避け、必要に応じて短期間用いるのが一般的です。

2. 心理社会的サポート

  • 認知行動療法(CBT):不安を生み出す考え方のクセや行動パターンを見直す方法で、ガイドラインで第一選択の心理療法として位置づけられています。
  • 支持的精神療法:医師と話しながら状況を整理し、安心感を取り戻していく関わりです。
  • リラクセーション法:呼吸法・筋弛緩法などで、体の緊張をほぐす技法です。

ケルソンファミリークリニックでは、診察のなかで丁寧にお話を伺い、必要に応じて心理療法の方針をご案内します。

3. 職場や学校での工夫

  • 過度な負担を感じる業務や課題は、早めに相談する
  • 休憩を意識的にとる
  • 信頼できる上司・同僚・先生に状況を共有する
  • 必要に応じて休職・休学を検討する

診断書は、職場や学校に状況を伝える大切な味方になります。

4. 家庭での工夫

  • 不安の内容を否定せずに受け止める
  • 「考えすぎ」「気にしすぎ」と言わない
  • 一緒に散歩や軽い運動をする時間を持つ
  • 家族自身も自分の気持ちを相談できる相手を持つ

5. 生活全般でのセルフケア

  • 睡眠:毎日同じ時刻に寝起きし、寝る前のスマホやカフェインを控える
  • 運動:ウォーキングやヨガなど軽い有酸素運動は不安の緩和に役立つことが報告されています
  • 食事:規則的な食事、カフェイン・アルコールを減らす
  • 呼吸法:ゆっくり深く息を吐くだけでも、自律神経を整える効果があります

不安は完全になくすものではなく、うまく付き合っていくものです。自分を責めずに、一歩ずつ回復していきましょう。

全般性不安障害は、適切な治療で症状を和らげることが期待できる病気です。一人で抱え込まず、まずはお気軽にケルソンファミリークリニックまでご相談ください。大泉学園駅より西武バスにて「大泉郵便局」下車、徒歩1分。土日祝日も診療、オンライン診療にも対応しています。

執筆

田中 良恵

ケルソンファミリークリニック院長

2003年 島根大学医学部卒業。東京女子医科大学病院での研修を経て、精神科・プライマリーケア・訪問診療の領域で臨床経験を積む。アメリカ テキサス州での事業経営を経験したのち帰国。東京武蔵野病院精神科を経て、2026年6月 ケルソンファミリークリニックを開院。精神保健指定医、日本医師会認定産業医。