眠れなさは、寝つきが悪い「入眠障害」・夜中に途中で目が覚める「中途覚醒」・早朝に目が覚める「早朝覚醒」の3つのタイプに分けて考えると、自分の状態と受診の目安が整理しやすくなります。まずは自分がどのタイプに近いかを知り、そのうえで日中への支障が続くかどうかで相談のタイミングを考えていきましょう。
不眠とは、眠りたいのに眠れない、または眠りが浅く休んだ感じが得られない状態が続き、日中の生活に支障が出ているものを指します。この記事は、東京都練馬区大泉学園町で心療内科・精神科・内科を診療している当院(ケルソンファミリークリニック)が、院長・田中良恵の視点でまとめたものです。タイプ別の特徴と、どこからが受診ラインの目安になるかを、やさしく整理していきます。
寝つきが悪い・途中で目が覚める・早朝に目が覚める不眠の3タイプ
不眠は、眠りのどの場面でつまずくかによって、寝つきが悪い「入眠障害」、夜中に途中で目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚める「早朝覚醒」の3つのタイプに大きく分けられます。ひとつだけの場合もあれば、いくつかが重なることもあります。
| タイプ | 眠りのつまずく場面 | よくある感じ方 |
|---|---|---|
| 入眠障害(寝つきが悪い) | 布団に入ってから眠るまで | 横になっても頭がさえて、なかなか寝つけない |
| 中途覚醒(途中で目が覚める) | 眠っている夜中 | 何度も目が覚め、その後また寝つきにくい |
| 早朝覚醒(早朝に目が覚める) | 明け方から起床までの時間帯 | 予定より早く目が覚め、二度寝ができない |
どのタイプでも、大切なのは「眠れない時間の長さ」そのものよりも、そのために日中がどれくらいつらいかという視点です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、必要な睡眠時間には個人差があり、日中の眠気などの状態から睡眠が足りているかをみていく考え方が示されています。眠れない背景には、ストレスや生活リズム、心身の不調などさまざまな要因が関わることがあります。
あなたの不眠はどのタイプ?セルフチェックの目安

自分の不眠のタイプは、「眠りのどの時間帯でいちばんつらいか」を振り返ると見分けやすくなります。次の項目のうち、当てはまるものが多いところが、あなたに近いタイプの目安です。あくまで自己確認のための目安で、時間の感じ方には個人差があります。
- 寝つきが悪いタイプ:布団に入ってもなかなか寝つけない(眠るまでにおおむね30分〜1時間以上かかる状態を一つの目安とする考え方もありますが、つらさの感じ方は人それぞれです)
- 途中で目が覚めるタイプ:夜中に何度も目が覚め、その後なかなか寝つけない/眠りが浅く、たびたび目が覚める
- 早朝に目が覚めるタイプ:起きたい時刻よりかなり早く目が覚めてしまい、二度寝ができない状態が続く
- 共通してみられること:朝すっきり起きられない/日中に強い眠気やだるさがある/気分が落ち込みやすい
複数のタイプが混ざっていても、めずらしいことではありません。タイプを知ることは、生活の工夫や、医師に相談するときの説明のしやすさにつながります。眠れない状態が長引くときにどの科へ相談すればよいか迷う場合は、眠れない何科?内科と心療内科|大泉学園の選び方もあわせてご覧ください。朝の起きづらさが中心のときは、朝起きられない対処|家でできる起床習慣の整え方が参考になることもあります。
どこからが受診の目安?相談を考えたいサイン

眠れない状態が続き、日中の眠気や集中力の低下、気分の落ち込みなど生活への支障が出てきたときは、医療機関への相談を考える一つの目安になります。眠れない日が数日ある程度で、日中に困っていなければ、まずは生活の工夫で様子をみる考え方もあります。
- 眠れない状態が続き、日中の仕事・家事・勉強に支障が出ている
- 強い眠気やだるさ、集中力の低下が日中に続いている
- 気分の落ち込みや不安、意欲の低下をともなっている
- 眠れないことへの不安で、夜が近づくとかえって緊張してしまう
- 市販の睡眠改善薬や自分なりの工夫を試しても、つらさが続いている
- 大きないびきや呼吸の止まりを家族から指摘された、脚のむずむず感で眠れないなど、身体の症状が目立つ
厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」では、不眠症は、寝つきの悪さや中途覚醒などの睡眠の問題が続き、あわせて日中の不調が生じている状態として説明されています。つまり、夜の状態と昼の状態をセットでみることが判断のよりどころになります。期間については「2週間以上続いたら」といった目安が語られることもありますが、感じ方には個人差があり、日数だけで線を引くものではありません。「つらい」「困っている」という気持ちが続くこと自体が、相談してよいサインです。早朝に目が覚める状態と気分の落ち込みが重なっているときは、こころの状態が関わっていることもあるため、早めのご相談をおすすめします。
不眠のタイプ別セルフケアと、医療機関でできること
不眠のセルフケアは、寝つき重視・中途覚醒重視・早朝覚醒重視で工夫の方向が少しずつ変わりますが、生活リズムを整える基本は共通しています。効果の感じ方には個人差があり、続けても変化がないときは無理をせず相談することが大切です。
- 寝つきが悪いとき:就寝前のスマートフォンやカフェインを控える/眠くなってから布団に入る/入浴で体を温めてからリラックスする
- 途中で目が覚めるとき:寝室を暗く静かに保つ/寝る前のお酒を控える/目が覚めても時計を何度も見ないようにする
- 早朝に目が覚めるとき:朝に自然光を浴びて体内時計を整える/日中に適度に体を動かす/気分の落ち込みが強いときは早めに相談する
暑さで眠りが浅くなる季節には、環境の調整だけで楽になることもあります。夏場の眠れなさについては夏の寝苦しい熱帯夜で眠れない|受診の目安と見分け方もご参考に。
医療機関では、生活習慣の見直しの助言に加えて、必要に応じて睡眠のリズムを整える治療や、背景にある不安・気分の状態への対応を一緒に考えていきます。当院では、眠れなさの裏に身体の要因が隠れていないかを確かめるため、必要と判断した場合に血液検査や血圧測定などを行い、内科的な視点もあわせてみていきます。薬を使う場合も、種類や期間は一人ひとりの状態と医師の判断によって異なり、漫然と長く続けることを前提とはしません。市販薬と処方薬の違いが気になる方は、市販の睡眠改善薬と睡眠薬の違いと効果がわかるも先に読んでおくと、診察のときに質問しやすくなります。
受診の費用と時間の目安、初診で聞かれること
眠れなさの相談は、症状の診察や治療にあたる部分は公的医療保険が使えるため、窓口では加入している保険の負担割合に応じたお支払いになります。保険証(またはマイナ保険証)をお持ちください。通院を続ける中で経済的な負担が心配なときは、精神科の通院医療費の自己負担を軽くする自立支援医療制度という仕組みがあり、当院でも申請用の診断書を作成しています(自立支援医療制度申請用の診断書は5,500円・税込。料金は当院公式サイトの料金表が正となります)。
診断書や書類の作成、ご本人が来られない場合のご家族だけの相談は、保険が使えない自費のお取り扱いです。当院のご家族相談は1回13,200円(税込)で、時間はおおむね30分程度、回数は状況の整理だけで1回で終わることもあれば、経過をみながら複数回に分けることもあります。ご本人を直接診察していないため、この相談だけで診断を確定したり、ご本人へのお薬を処方したりすることはできません。伺った状況によっては、訪問診療などの次の手段をご提案する場合があります。
初診で聞かれることは、身がまえるような内容ではありません。次のような点を、話せる範囲でお伝えいただければ十分です。
- 眠れなさが始まった時期と、いちばん困っている時間帯(寝つき・夜中・明け方)
- 日中の眠気、だるさ、集中しづらさなど、生活への影響
- 飲んでいるお薬・市販薬・サプリメント、カフェインやお酒の量
- 仕事や家庭の環境で、最近変わったこと
大泉学園・練馬で不眠を相談するときの受診の流れ
大泉学園・練馬エリアで不眠を相談するときは、心療内科・精神科・内科のいずれかを入り口に、眠れなさの背景となる生活や心身の状態も含めて診てもらえる医療機関を選ぶとよいでしょう。初めての受診でも、特別な準備は必要ありません。
- 眠れない状況(寝つき・中途覚醒・早朝覚醒のどれが多いか)や、日中の困りごとを簡単に振り返っておく
- 飲んでいる薬やサプリメント、市販薬があればメモしておく
- 受診し、問診で睡眠や生活の様子、気分の状態などを医師に伝える
- 必要に応じて、生活の工夫の助言や治療の方針を一緒に決めていく
受診先を選ぶときは、通える曜日と時間、通院の手段、家族で相談できるかといった「続けやすさ」の基準で考えると迷いにくくなります。判断の軸は練馬のクリニック選び|土日祝も通える受診先の決め方がわかるにまとめています。
当院は西武線大泉学園駅から西武バス「大泉郵便局」下車 徒歩1分にあり、診療時間は午前9:00〜12:30、午後14:30〜18:00です。水曜は休診ですが、土日祝や年末年始、GWも診療しているため、平日は仕事で動けないという方でもご相談いただけます。予約は電話・LINE・メール・ホームページから受け付けており、予約なしでの受診も可能です(予約の方を優先してご案内しています)。提携駐車場はタイムズ大泉学園町第2(5台)・第4(7台)で、受診された方には割引チケットをお渡ししています。火・金・土の午前は送迎も行っており(9:15〜受付、土曜は原則クリニックと大泉学園駅の間)、外出がつらい時期の通院手段としてご相談ください。
当院は「こころと身体、家族ごと診る、心療内科ベースのファミリークリニック」を掲げており、キッズスペースを備え、お子さんのこころの相談も受けています。「精神科に行くのは少し不安」という方は、まず体調の相談として内科的な面からお話しいただいて構いません。自分の状態を言葉にしにくいときは、メンタルの症状チェック|結果の活かし方がわかるを使って気になる点を書き出してから来ていただくのも一つの方法です。眠れない夜が続くと、それだけで気持ちがすり減っていきます。どのタイプに近いかが見えてきたら、それがそのまま相談の第一歩になります。