結論:市販の睡眠改善薬は一時的な寝つきの悪さをやわらげることを目的とした薬で、医療機関で処方される睡眠薬は不眠の背景に合わせて医師が選ぶ薬です。市販薬を数日〜1〜2週間ほど使っても眠れないときは、受診を検討しましょう。
市販の睡眠改善薬で眠れないとき、そのまま飲み続けてよいのか、それとも受診すべきか、迷いますよね。市販の睡眠改善薬と睡眠薬は、成分も効果の狙いも使い方も違います。その違いを知っておくと、いまの自分に合った選び方の判断がしやすくなります。この記事は、東京都練馬区大泉学園町で心療内科・精神科・内科を診ている当院(ケルソンファミリークリニック)が、日々の診察でよくいただくご質問をもとにまとめました。
市販の睡眠改善薬と睡眠薬の違いと効果の考え方

市販の睡眠改善薬と睡眠薬の大きな違いは、「一時的な寝つきの悪さ向けか」「不眠の背景に合わせて医師が選ぶか」という点にあります。市販の睡眠改善薬は、かぜ薬などにも使われる抗ヒスタミン成分の眠気を利用したものが中心で、たまたま眠れない夜が続くようなときに一時的に使うことを想定しています。一方、医療機関で処方される睡眠薬は、不眠のタイプや原因を診たうえで医師が種類や量を選びます。
| 項目 | 市販の睡眠改善薬 | 医療機関の睡眠薬 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 一時的な寝つきの悪さをやわらげる | 不眠の背景に合わせた治療 |
| 主な成分の傾向 | 抗ヒスタミン成分など | 複数の作用のタイプから医師が選択 |
| 使い方 | 短期間の使用が想定 | 医師の指示に沿って調整 |
| 入手方法 | 薬局・ドラッグストア | 診察を受けて処方 |
効果の感じ方には個人差があり、市販薬が合う方もいれば、飲んでも変化を感じにくい方もいます。「効くはずなのに眠れない」ときは、成分や量の問題ではなく、不眠の背景にほかの要因が隠れていることもあります。市販の睡眠改善薬は、購入前に必ず添付文書(説明書)を確認し、持病のある方や他のお薬を飲んでいる方は薬剤師にご相談ください。
市販の睡眠改善薬で眠れないときに受診を考える目安

市販の睡眠改善薬を使っても眠れない状態が続くときは、一度医療機関に相談することをおすすめします。市販薬はあくまで一時的な使用を想定しているため、長く続く不眠を市販薬だけでしのぎ続けるのは、あまり向いていません。次のような様子があるときは、受診を考える目安になります。
- 市販の睡眠改善薬を数日〜1〜2週間ほど使っても、眠れない状態が変わらない
- 日中に強い眠気やだるさが残り、仕事や家事に支障が出ている
- 気分の落ち込みや不安、動悸など、眠れなさ以外の不調も感じる
- 眠るために市販薬の量や頻度が少しずつ増えてきている
眠れなさの背景には、ストレスや不安、生活リズムの乱れ、こころや身体の不調が隠れていることがあります。ご自身の不眠がどのタイプに近いかを整理しておくと、相談がぐっとしやすくなります。当院ブログの寝つきが悪い・途中で目が覚める・早朝に目が覚めるときの受診目安もあわせてご覧ください。気分の面が気になるときは、メンタルの症状チェック|結果の活かし方がわかるが、相談前の整理に役立ちます。
薬を使う前に見直したい睡眠の整え方
不眠の相談では、いきなりお薬だけを考えるのではなく、生活のリズムを一緒に見直していくことも大切にしています。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、必要な睡眠時間には個人差があることを前提としたうえで、成人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保すること、朝の光を浴びて生活リズムを整えること、就寝前のカフェインや飲酒を控えることなどが示されています。
- 起きる時間をできるだけ一定にし、朝に光を浴びる
- 夕方以降のカフェイン、寝る前のお酒やたばこを控える
- 眠れないまま長く布団の中で過ごさず、いったん床を離れる
- 寝室の温度や明るさ、スマートフォンの使い方を見直す
朝の起きづらさが続いているときは朝起きられない対処|家でできる起床習慣の整え方、暑さで眠れない時期には夏の寝苦しい熱帯夜で眠れない|受診の目安と見分け方もご参考になさってください。工夫を続けても変化が乏しいときは、無理をせず相談していただければと思います。
医療機関で処方される睡眠薬の種類と使い方
医療機関で処方される睡眠薬には、作用のしくみが異なるいくつかのタイプがあり、医師が不眠のタイプや体質に合わせて選びます。市販薬のように「一種類で誰にでも同じ」ではなく、寝つきが悪いのか、途中で目が覚めるのか、といった困りごとに合わせて調整していくのが特徴です。
- 脳の興奮をしずめるタイプ:寝つきや眠りの維持を助けることを目的に用いられます。
- 睡眠と覚醒のリズムに働きかけるタイプ:体内のリズムを整えることを目的に用いられることがありますが、効果には個人差があり、医師の判断で選択されます。
- 覚醒を促す物質の働きをおさえるタイプ:目が覚めやすい方に用いられることがあります。
いずれのタイプも、眠気の持ち越しやふらつき、人によっては使い続けることでやめにくくなる可能性など、注意したい副作用があります。だからこそ、自己判断で量を増やしたり急にやめたりせず、医師の指示に沿って使うことが大切です。「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」(日本睡眠学会・厚生労働科学研究班、2013年)でも、眠りが安定したあとの減薬・休薬は医師と相談しながら段階的に進めることが基本とされています。睡眠薬は「一生飲み続けるもの」とは限りません。
なお、不眠の相談は保険診療の範囲で行えることがほとんどです。診察料と薬代は健康保険の自己負担割合に応じた金額となり、通院の間隔は状態によって異なりますので、診察のなかでご相談ください。
大泉学園で睡眠の悩みを相談するときの受診の流れ
睡眠の悩みで受診するときは、いまの困りごとを整理して持っていくと、相談がスムーズになります。心療内科や精神科と聞くと身構えてしまう方もいらっしゃいますが、眠れない、疲れが取れないといった相談から始めていただいて大丈夫です。おおまかな流れは次のとおりです。
- いつから眠れないか、寝つきの悪さと途中で目が覚めることのどちらが多いかを思い出しておく
- 市販の睡眠改善薬など、いま使っている薬やサプリをメモしておく
- 診察で、生活リズムやストレス、身体の不調も含めて医師に伝える
- 必要に応じて、生活の工夫や薬の相談を一緒に進めていく
当院は心療内科・精神科・内科を標榜しており、眠れなさの背景にある身体面の不調もあわせて確認できます。診療時間は午前9:00〜12:30、午後14:30〜18:00で、水曜は休診です。土日祝や年末年始も診療しているため、平日に時間を取りにくい方もご相談いただけます。ご予約は電話・LINE・メール・ホームページから承っており、予約優先ではありますが予約なしでの受診も可能です。場所は東京都練馬区大泉学園町5丁目6-22、西武バス「大泉郵便局」下車 徒歩1分で、提携駐車場(タイムズ大泉学園町第2・第4)の割引チケットもご用意しています。
「内科と心療内科のどちらに行けばよいか分からない」というときは眠れない何科?内科と心療内科|大泉学園の選び方、通いやすさから受診先を選びたいときは練馬のクリニック選び|土日祝も通える受診先の決め方がわかるが参考になります。眠れない原因は一つとは限りません。ひとりで抱え込まず、気になったときに相談できる場所を持っておけると心強いですね。