おなかが痛いとき、まず知っておいてほしいこと
おなかの痛みは、多くの方が一度は経験する症状です。だからこそ「これくらいで病院に行っていいのかな」と迷ってしまう。そんな声を、診察室でもよく耳にします。
腹痛には、一晩休めば落ち着くものもあれば、早めに診てもらったほうがよいものもあります。大切なのは「痛みの強さ」だけで判断しないこと。痛みが軽くても、続き方や場所、ほかの症状の組み合わせによっては、きちんと調べたほうがよい場合があります。
この記事では、ご自身やご家族の腹痛について「今日行くべきか、少し様子を見てよいか」を落ち着いて考えるための目安をまとめました。読み終えたときに、次の一歩が決めやすくなっていたら嬉しいです。
すぐに受診を考えたい腹痛のサイン

次のような様子があるときは、我慢せず早めの受診をおすすめします。夜間や休日であれば、救急相談窓口(東京都では#7119、こどもは#8000)に電話して相談する方法もあります。
| サイン | どうして気をつけたいか |
|---|---|
| 突然始まった、これまでにない強い痛み | 急を要する病気が隠れていることがあります |
| おなかを押すと強く痛む/板のように硬い | 腹膜への刺激を示していることがあります |
| 吐いたものや便に血が混じる、便が黒い | 消化管からの出血が疑われます |
| 高い熱をともなう | 感染や炎症が広がっている可能性があります |
| 水分もとれず、尿がほとんど出ない | 脱水が進んでいるおそれがあります |
| 顔色が悪い、冷や汗、意識がもうろうとする | 全身の状態が悪化しているサインです |
| 妊娠中・妊娠の可能性がある方の腹痛 | 産婦人科的な原因の確認が必要です |
特に小さなお子さんやご高齢の方は、痛みをうまく言葉にできないことがあります。「ぐったりしている」「いつもと様子が違う」──その直感は、案外あてになるものです。
少し様子を見てもよいことが多い腹痛
一方で、こんな腹痛は自宅で経過をみながら判断できることが多いものです。
- 食べすぎ・冷たいものの摂りすぎのあとの、じきに和らぐ痛み
- 下痢や軽い吐き気をともなうが、水分がとれていて熱もない
- 生理周期に合わせて毎回起こる、いつもと同じ程度の痛み
- 便が出たあとに楽になる、繰り返す軽い痛み
この場合は、消化のよいものを少しずつ、水分はこまめに。ただし「様子を見る」は「放っておく」ではありません。半日〜1日たっても改善しない、だんだん強くなる、新しい症状が加わったときは、方針を切り替えてください。
痛む場所から考えられること

おなかは広く、場所によって関わる臓器が違います。断定はできませんが、受診のときに「どこが痛むか」を伝えられると、診察の道すじが立てやすくなります。
| 痛む場所 | 関わることがある主な臓器 |
|---|---|
| みぞおち周辺 | 胃、十二指腸、膵臓、まれに心臓 |
| 右上腹部 | 肝臓、胆のう |
| へその周り | 小腸。初期の虫垂炎がここから始まることも |
| 右下腹部 | 虫垂、大腸、卵巣(女性) |
| 左下腹部 | 大腸(S状結腸)、卵巣(女性) |
| 下腹部の中央 | 膀胱、子宮 |
「へその周りが痛かったのに、右下に移ってきた」といった痛みの移動も、大切な手がかりになります。
受診のときに伝えると診察が早く進むこと
いざ診察室に入ると、緊張して「いつからでしたっけ…」となることがあります。メモにしておくと安心です。
- いつから:何日前から、何時ごろから
- どこが:指で示せる範囲か、広く漠然としているか
- どんな痛みか:キリキリ、ズーンと重い、波がある、ずっと続く
- きっかけ:食事のあと、空腹時、ストレスがかかったとき
- ほかの症状:熱、吐き気、下痢、便秘、便の色
- 飲んでいる薬:市販薬・サプリメントも含めて
- これまでの病気や手術:おなかの手術歴は特に重要です
市販の痛み止めを飲んだ場合は、その時刻と薬の名前も教えてください。痛みが和らいでいる状態だと、診察でわかることが変わってくるためです。
くり返す腹痛と、こころの関係
検査をしても大きな異常が見つからないのに、腹痛が繰り返す。そんな方が少なくありません。
おなかは、緊張や不安に敏感に反応する場所です。「通勤の電車で必ず痛くなる」「試験や会議の前だけおなかを下す」「休日は平気なのに、月曜の朝だけつらい」──こうしたパターンに心当たりがあるなら、身体の検査だけでなく、生活やこころの負担にも目を向けてみる価値があります。
もちろん、まず身体の病気がないかを確認することが先です。そのうえで、必要に応じて生活習慣の調整や、こころの面からのアプローチを組み合わせていきます。当院は心療内科をベースにしたファミリークリニックとして内科も診ておりますので、身体とこころを切り離さずに、一続きのものとして相談していただけます。「胃腸の話をしに来たのに、気持ちの話までしていいのかな」と遠慮なさらないでくださいね。
体調の変化が睡眠や朝の起きにくさとつながっていることもあります。気になる方は朝起きられない対処|家でできる起床習慣の整え方やメンタルの症状チェック|結果の活かし方がわかるもあわせてご覧ください。
何科に行けばいいのか迷ったら
結論から言えば、腹痛はまず内科で構いません。原因の幅が広い症状なので、内科でひととおり診て、必要であれば適した診療科や医療機関へおつなぎする、という流れが自然です。
| こんなとき | 目安となる相談先 |
|---|---|
| 原因がわからない腹痛、発熱や下痢をともなう | 内科 |
| 強い痛みが急に始まった、動けない | 救急外来/救急相談窓口へ電話 |
| 生理周期と関係する下腹部痛、妊娠の可能性 | 婦人科 |
| 緊張・不安と結びついて繰り返す腹痛 | 内科でまず確認し、心療内科も視野に |
| お子さんの腹痛で、ぐったりしている | 小児対応のある医療機関/#8000 |
「どこにかかるか」で迷って受診が遅れるくらいなら、まず身近な内科に相談してしまうほうが、結果的に近道になることが多いのです。
大泉学園で受診先を考えるときの視点
おなかの不調は、いつ起きるか選べません。夜中に始まることも、日曜の朝に強くなることもあります。だからこそ、受診先を決めるときは「行きやすさ」を軸に考えてみてください。
- 診療している曜日:土日祝も開いているか。平日休みが取れない方には特に大切です
- 予約の要否:急な体調不良のときに、予約なしでも診てもらえるか
- 行き方:駅からの距離、バス停の近さ、駐車場の有無
- 内科以外も診ているか:繰り返す症状のとき、同じ場所で相談を続けられます
当院は東京都練馬区大泉学園町にあり、西武バス「大泉郵便局」バス停から徒歩1分。診療は午前9:00〜12:30、午後14:30〜18:00で、水曜が休診日です。土日祝や年末年始も診療していますので、「お休みの日に限って調子が悪くなる」という方にも使っていただけます。予約は電話・LINE・メール・ホームページから受け付けており、予約優先ではありますが、予約なしでの受診も可能です。提携駐車場(タイムズ大泉学園町第2・第4)もあり、割引チケットをお渡ししています。おなかが痛いときに歩くのはつらいものですから、こうした条件も遠慮なく確認してください。
受診先の選び方をもう少し広く考えたい方には、練馬のクリニック選び|土日祝も通える受診先の決め方がわかるも参考になるかと思います。
受診までのあいだ、自宅でできること
病院に行くまでの時間をどう過ごすか。ここでも、いくつか気をつけたいことがあります。
- 水分は少しずつ:一気に飲まず、常温の水や経口補水液を数口ずつ
- 食事は無理をしない:食欲がなければ抜いて構いません。食べられそうならおかゆやうどんを
- 楽な姿勢で:膝を軽く曲げて横になると、おなかの緊張がゆるみます
- 市販の痛み止めは慎重に:原因がわからないうちの服用は、症状を隠してしまうことがあります
- 温めるかどうか:冷えからくる痛みは温めると楽になりますが、強い痛みや熱があるときは避けてください
そして、痛みの変化をメモしておくこと。「◯時から右下が痛い」「◯時に吐いた」と時刻つきで残しておくと、診察のときにとても役立ちます。
ひとりで抱えこまなくて大丈夫です
おなかの痛みは、目に見えません。だから周りに伝わりにくく、「大げさかな」と自分で小さく見積もってしまいがちです。でも、痛みを感じているのはご自身。その感覚を、どうか軽んじないでください。
心配が長引くこと自体が、体にも負担になります。はっきりさせて安心するために受診する──それも、じゅうぶんに立派な受診理由です。