アデノウイルスで吐き気・腹痛・下痢が出ているときは、水分を少しずつこまめに取りながら体を休め、下痢は無理に止めないことが家庭での対処の中心になります。症状が強いときや長引くときは、早めに医療機関へご相談ください。
結論:アデノウイルスによる胃腸症状に直接効く薬は現在なく、水分・電解質の補給と安静を中心とした対症療法が基本です。水分が取れない、強い腹痛が続く、ぐったりしている、家で休んでも改善がみられないといったときが受診を考える目安になります。症状の出方や治り方には個人差があります。
アデノウイルスの吐き気・腹痛・下痢、家庭での対処の基本
アデノウイルスによる吐き気・腹痛・下痢の家庭での対処は、水分をこまめに補い、体を休め、下痢を無理に止めないことが中心になります。アデノウイルスは冬のイメージが強いものの、夏場にも流行がみられ、この時期の胃腸症状の原因のひとつです。国立感染症研究所の感染症情報では、アデノウイルスは咽頭結膜熱や流行性角結膜炎のほか、胃腸炎を起こすウイルスとして知られています。
アデノウイルスに直接効く薬は現在なく、つらい症状をやわらげる対症療法が基本になります。下痢はウイルスや老廃物を体の外へ出す働きもあるため、自己判断で強い下痢止めを使うと回復までの時間が長くなることがあります。
- 水分と電解質(塩分・糖分)をこまめに補う
- 涼しく静かな場所で体を休める
- 下痢は無理に止めず、出るものは出す
- 脂っこいもの・冷たすぎるもの・刺激物は控える
- タオルや手洗いを分け、家庭内で広げない
吐いてしまったときのために、洗面器やビニール袋、替えの下着やタオルを枕元にまとめておくと、夜間でも慌てずに済みます。汚れたものはビニール袋に入れて口を縛り、処理のあとは石けんでの手洗いを丁寧に。ちょっとした段取りですが、看病する側の負担がずいぶん違ってきます。
夏場の感染症全般の予防については、当院ブログの夏の手足口病・ヘルパンギーナ・アデノウイルス予防もあわせてご覧ください。
下痢や嘔吐があるときの水分の取り方

下痢や嘔吐があるときは、一度に大量に飲まず、少量ずつ回数を分けて水分を取る方法が脱水を防ぎやすくなります。吐き気が強いときにいきなりコップ一杯を飲むと、かえって吐いてしまい、結局からだに水分が入りません。
- 吐き気が落ち着いてきたら、小さじ1〜大さじ1程度の少量から始めます。
- 5〜10分ほど間隔をあけ、吐かなければ少しずつ量を増やします。
- 飲み物は経口補水液や湯冷まし、薄めのお茶など、刺激の少ないものを選びます。
- ジュースや清涼飲料は糖分が多く、下痢を強めることがあります。気になるときは薄めて使います。
- 尿の回数や色を確認し、尿が減る・濃くなるときは水分不足のサインとして受診を検討します。
食事は、食欲が戻ってきてからで構いません。おかゆ、うどん、すりおろしたりんご、みそ汁の上澄みなど、消化のよいものから少しずつ。無理に栄養をとらせようとするより、まずは飲めているかどうかを見てあげてください。
子どもや高齢の方はとくに脱水に注意
子どもや高齢の方は体内の水分バランスが変わりやすく、脱水が進みやすい傾向があります。ぐったりして反応が鈍い、唇や口の中が乾く、半日以上おしっこが出ないといったときは、家庭でのケアを続けずに早めにご相談ください。汗をかく季節は水分の失われ方も変わります。脱水そのものの見分け方は、熱中症の応急処置と受診目安|大泉学園の内科が解説も参考になります。
アデノウイルスで受診の目安になるサイン

受診の目安になるのは、意識がもうろうとする、食事や水分が取れない、腹痛が強い、そして「家で休んでいてもつらい・何かおかしい」と感じるときです。回復までの日数には個人差がありますが、家で3日ほど様子をみても改善の気配がない場合は、脱水が進んでいたり、別の原因が隠れていたりすることもあるため、受診をおすすめします。
- 水分を受けつけず、飲んでもすぐ吐いてしまう
- おしっこが半日以上出ない、量が明らかに減っている
- 強い腹痛が続く、または痛みがどんどん増している
- ぐったりして意識がはっきりしない
- 血の混じった便が出る、便が黒っぽい
- 熱や症状が3日ほど続き、家で休んでも改善がみられない
脱水が強いときには、必要に応じて点滴で水分や電解質を補う対応がとられることもあります。判断に迷うときは、家で無理に様子を見続けず、まず電話でご相談いただくだけでも構いません。腹痛が主な症状のときの考え方は、腹痛で内科を受診する目安|大泉学園で迷ったときにまとめています。
子ども・高齢者で気をつけたい違い
アデノウイルスの胃腸症状は、年齢によって気をつけたいポイントが少しずつ異なります。乳幼児は自分で不調を伝えにくく、高齢の方は脱水や持病の悪化に気づきにくいため、周囲の観察が助けになります。
| 年齢層 | 気をつけたい点 | 受診を考えるサイン |
|---|---|---|
| 乳幼児・子ども | 脱水が進みやすく、機嫌や飲みで判断 | おしっこが減る・泣いても涙が少ない・元気がない |
| 成人 | 仕事や家事で無理をしがち | 水分が取れない・腹痛が強い・3日ほど続く |
| 高齢の方 | 脱水や持病の悪化に気づきにくい | 食欲低下・ぼんやりする・立ち上がりがふらつく |
持病があり、ふだん血圧や糖尿病などのお薬を飲んでいる方は、食事や水分が取れない日の服薬をどうするか迷われることがあります。自己判断で中止も継続もせず、かかりつけにご確認ください。
家庭でのケアでやりがちな失敗と工夫
家庭でのケアでは、「早く治してあげたい」という気持ちから、かえって回復を妨げてしまうことがあります。あわてず、体の回復を助ける関わり方を意識すると、無理なく過ごしやすくなります。
- 下痢止めの使いすぎ:ウイルスを出し切る前に止めると長引くことがあるため、自己判断での多用は控えます。
- 一気飲み:のどが渇いても一度に大量に飲まず、少量を頻回にします。
- 無理な食事:食欲がないうちは無理に食べず、おかゆやうどんなど消化のよいものから少しずつ戻します。
- 入浴で長湯:体力を消耗しやすいので、つらいときはシャワーや清拭で済ませます。
- 市販薬だけで様子見を続ける:症状が強い・長引くときは受診の目安を思い出し、早めにご相談ください。
どこを受診する?家族で体調を崩したときの動き方
吐き気・腹痛・下痢が主な症状であれば、まずは内科や小児科での相談が基本です。吐いてしまう可能性があるときは対面での診察のほうが判断しやすく、脱水の程度に応じた処置も検討できます。受診の際は、いつから症状が出たか、最後に水分と食事をとれたのはいつか、嘔吐や下痢の回数、熱の経過をメモしておくと、短い診察時間でも情報が伝わります。
当院ケルソンファミリークリニック(東京都練馬区大泉学園町5丁目6-22)は、心療内科・精神科に加えて内科も標榜しており、風邪症状や腹痛、めまいなどの体の不調も診ています。診療時間は午前9:00〜12:30、午後14:30〜18:00で、水曜は休診です。土日祝や年末年始も診療しているため、平日に動きにくいご家庭でも受診の時間を作りやすいかと思います。予約は電話・LINE・メール・ホームページから受け付けていますが、予約なしでの受診も可能です(予約優先)。西武線大泉学園駅から西武バス「大泉郵便局」下車徒歩1分、提携駐車場としてタイムズ大泉学園町第2・第4をご利用いただけ、割引チケットをお渡ししています。院内にはキッズスペースもありますので、きょうだいを連れての受診もどうぞ。
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