「熱が出たけど風邪とは少し違う気がする」「子どもが嘔吐と下痢を繰り返している」「背中に水ぶくれのような発疹が出てきた」——こうした症状は、風邪・インフルエンザ以外の感染症が原因であることも少なくありません。
感染症にはさまざまな種類があり、原因となる微生物や感染経路、治療法もそれぞれ異なります。正しく診断を受けることが、回復への近道です。ケルソンファミリークリニックは、心療内科・内科を併設した家族向けクリニック。大泉学園駅より西武バスにて「大泉郵便局」下車、徒歩1分です。土日祝日・年末年始も診療しており、感染症のように発症タイミングが読めない病気にも、お休みの日からすぐに対応できます。オンライン診療にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。なお、風邪やインフルエンザについては別ページ(風邪・インフルエンザ)で詳しく解説しています。
感染症の基礎知識

感染症とは、細菌・ウイルス・真菌(カビ)・寄生虫などの微生物が体内に侵入し、増殖することで引き起こされる病気の総称です。日常生活のなかで誰もがかかりうる病気であり、子どもから高齢者まで幅広い世代に影響を与えます。
感染症を理解するうえで重要なのが、「細菌」と「ウイルス」の違いです。
細菌は自ら増殖できる単細胞の微生物で、溶連菌・マイコプラズマ・大腸菌などが代表例です。抗菌薬(抗生物質)が有効で、適切に使用すれば多くの場合に改善が期待できます。
ウイルスはそれ自体では増殖できず、ヒトの細胞に入り込んで増えます。ノロウイルス・RSウイルス・水痘帯状疱疹ウイルスなどがあり、多くは対症療法(症状を和らげる治療)が中心です。一部のウイルス感染症には抗ウイルス薬が有効で、帯状疱疹・新型コロナなどには早期投与で効果が期待できます。
感染の経路も症状の広がりを理解する助けになります。
- 飛沫感染:咳・くしゃみによって飛んだ飛沫を吸い込む(溶連菌・マイコプラズマ・コロナ等)
- 接触感染:感染者の皮膚・物品に触れた手で口や鼻を触る(ノロウイルス・RSウイルス等)
- 経口感染:汚染された食べ物・水を摂取する(ノロウイルス・ロタウイルス等)
感染経路を知ることで、適切な予防行動につながります。
よくある感染症の種類と特徴
風邪・インフルエンザ以外にも、日常の診療でよく見られる感染症は多岐にわたります。症状の部位や特徴を整理すると、以下のように分類できます。
上気道感染(のど・気道の感染症)
- 溶連菌咽頭炎:A群β溶血性連鎖球菌による細菌感染。高熱・強いのどの痛み・舌が赤くなる(イチゴ舌)が特徴。抗菌薬での治療が有効で、適切に治療しないとリウマチ熱・腎炎などの合併症を起こす可能性がある
- 急性咽頭炎・扁桃炎:ウイルス・細菌いずれも原因となりうる。のどの痛み・発熱・飲み込みにくさなどが現れる
- マイコプラズマ肺炎:マイコプラズマという細菌による肺炎。長引く乾いた咳と発熱が特徴で、マイコプラズマは細胞壁を持たない細菌のためペニシリン系・セファロスポリン系(β-ラクタム系)は無効。第一選択はマクロライド系抗菌薬だが、近年マクロライド系に耐性を示す株が増加しており、その場合はテトラサイクリン系やキノロン系(年齢・状態に応じて医師が判断)を使用することがある。子どもや若い世代に多い
胃腸感染(消化器系の感染症)
- 感染性胃腸炎(ノロウイルス):突然の嘔吐・下痢・腹痛が起こる。主に冬に流行し、少量のウイルスで感染するため家庭内での二次感染が起きやすい
- 感染性胃腸炎(ロタウイルス):乳幼児に多いウイルス性胃腸炎。白っぽい水様下痢が特徴で、脱水に注意が必要。予防接種により重症化を防ぎやすくなっている
呼吸器感染
- RSウイルス感染症:乳幼児・高齢者に注意が必要なウイルス感染。鼻水・発熱から始まり、乳児では細気管支炎に進行することがある。成人では軽症のことが多い
- 新型コロナウイルス感染症:近年の流行株では、強いのどの痛み・発熱・倦怠感が主な症状。重症化リスクが高い方には抗ウイルス薬の適応がある
皮膚・神経の感染症
- 帯状疱疹:水ぼうそうのウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が体内に潜伏し、免疫が低下したときに再活性化する。体の片側に沿ってピリピリした痛みや水疱が出現する。早期の抗ウイルス薬投与が有効。予防接種で発症リスクを下げることができる
泌尿器の感染症
- 尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎):細菌が尿道から膀胱・腎臓へ感染する。排尿時の痛み・頻尿・残尿感・発熱が主な症状。女性に多く、抗菌薬での治療が基本。腎盂腎炎では高熱・腰背部痛が加わる場合がある
感染症の特徴と症状について

感染症の症状は、原因微生物や感染部位によって多様です。「どこで・どんな症状が出ているか」を整理することで、適切な診断につながります。
具体的な症状例
全身症状
- 発熱(微熱〜高熱まで幅がある)
- 強い倦怠感・だるさ
- 悪寒・ふるえ
- 食欲不振・体重減少
- リンパ節の腫れ
のど・呼吸器に関する症状
- 強いのどの痛み・飲み込みにくさ
- 長引く乾いた咳(マイコプラズマに多い)
- 息苦しさ・呼吸時の異音
- 声がれ・痰
消化器に関する症状
- 突然の嘔吐・繰り返す下痢
- 腹痛・腹部不快感
- 白っぽい水様性下痢(ロタウイルスに多い)
- 脱水のサイン(口の渇き・尿量減少・めまい)
皮膚・神経に関する症状
- 体の片側に沿った強い痛み・灼熱感(帯状疱疹)
- 赤い発疹・水疱(帯状疱疹・溶連菌の皮膚感染等)
- イチゴ舌・口腔内の発赤(溶連菌)
泌尿器に関する症状
- 排尿時の痛み・しみる感覚
- 頻尿・残尿感
- 腰や背中の痛み・高熱(腎盂腎炎に移行した場合)
こんな状態はすぐに受診してください
- 高熱が3日以上続いている
- 呼吸が苦しい・呼吸が速い
- 嘔吐・下痢による脱水が疑われる(水分を摂れない・尿が出ない)
- 体の片側に激しい痛みと発疹がある
- 高齢者・乳幼児・妊娠中・免疫が低下している状態での感染症状
感染症の対応と治療について
感染症の治療方針は、原因が細菌かウイルスか、症状の重さ、患者さんの年齢・基礎疾患によって大きく異なります。「まず何の感染症か見極め、それに合った治療を行う」ことが基本です。
ケルソンファミリークリニックでは、症状と経過を丁寧に確認し、必要に応じて検査を組み合わせながら、適切な治療法をご提案します。重症例や入院加療が必要な場合は、専門の医療機関と連携してサポートします。
薬物療法
感染症の治療薬は、原因に合わせて使い分けます。
抗菌薬(細菌感染に有効)
- ペニシリン系・セファロスポリン系:溶連菌咽頭炎・扁桃炎・膀胱炎などに使われる
- マクロライド系:マイコプラズマ肺炎・一部の皮膚感染に有効。ペニシリン系が効かない菌にも対応できる
- キノロン系(フルオロキノロン系):尿路感染症・呼吸器感染に使われることが多い
抗菌薬はウイルス感染には無効です。「なんとなく念のため」という使い方は、副作用リスクや耐性菌の問題を招くため、医師の診断のもとで使用することが大切です。
抗ウイルス薬(ウイルス感染の一部に有効)
- 帯状疱疹:アシクロビル・バラシクロビルなどの抗ウイルス薬を早期(発疹から72時間以内が目安)に使用することで、症状の軽減・後遺症(帯状疱疹後神経痛)予防が期待できる
- 新型コロナウイルス感染症:重症化リスクが高い方には抗ウイルス薬の選択肢がある(医師の判断で処方)
対症療法薬(症状を和らげる)
解熱鎮痛薬・整腸薬・制吐薬・補液(脱水対応)など、つらい症状を和らげながら自然治癒を助けます。
心理社会的サポート
感染症にかかると、「職場・学校への影響はどうなるか」「家族にうつしてしまったらどうしよう」といった不安がつきまとうことがあります。隔離生活が必要な場合には、孤独感やストレスを感じる方も少なくありません。
ケルソンファミリークリニックは心療内科・内科を併設しており、身体の治療と並行して、こうした不安や精神的なつらさにも寄り添うことができます。「症状は軽いけれど気持ちが落ち込んでいる」という方も、遠慮なくご相談ください。
学校や職場での工夫
感染症によっては、出席停止・自宅待機の基準が定められています。
- 溶連菌咽頭炎:適切な抗菌薬を開始してから24時間以上が経過し、熱が下がって全身状態が良ければ、医師の判断のもとで登校・登園が可能な目安となります
- ノロウイルス・ロタウイルス:嘔吐・下痢症状が消失するまで自宅安静。排泄物や嘔吐物への対応は感染拡大予防上も重要
- 帯状疱疹:帯状疱疹は成人では学校保健安全法上の出席停止対象外ですが、皮疹が他者に触れる可能性がある場合は、医師に相談しながら学校・職場と対応を調整することをお勧めします
- 新型コロナウイルス感染症:発症後一定期間の外出を控え、症状が軽快してから24時間後を目安に復帰(最新の行政指針に従う)
職場や学校の判断に必要な場合は、診断書・証明書の発行にも対応しています。
家庭での工夫
感染症の多くは家庭内で二次感染が広がりやすいため、患者本人だけでなく家族全員での対応が大切です。
- 手洗いの徹底:石けんと流水で30秒以上。帰宅後・調理前・食事前・トイレ後は必ず
- タオル・食器の共有を避ける:感染している期間は分けて使用する
- 嘔吐物・排泄物の処理:ノロウイルスなどは乾燥後も感染力が残るため、使い捨て手袋とマスクを着用して対処する。嘔吐物や便の処理には次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約1,000ppm)で消毒し、処理後は水拭きで仕上げる。床など通常の清掃には約200ppmが目安(製品ラベルに従い適切に希釈すること)
- 患者の部屋を分ける:可能な範囲で隔離し、こまめな換気を行う
- 水分補給のサポート:脱水になりやすい乳幼児・高齢者への水分・電解質補給を積極的に行う
家族の中に乳幼児・高齢者・妊娠中の方・持病がある方がいる場合は、特に注意が必要です。
生活全般でのセルフケア
感染症を予防し、かかったときに早く回復するためには、日常的な生活習慣の土台が重要です。
予防接種の活用
ケルソンファミリークリニックでは、インフルエンザ・新型コロナ・帯状疱疹・ロタウイルス・B型肝炎・肺炎球菌など、さまざまな予防接種に対応しています。「どのワクチンを受けておくべきか」は年齢・生活環境・基礎疾患によって異なるため、医師と相談しながら選択することをお勧めします。
感染予防の基本
- 外出後・調理前などの手洗いを習慣化する
- 流行期や人混みではマスクを活用する
- 室内の換気を定期的に行い、乾燥しやすい時期は適度な加湿を心がける
- 生ものの取り扱いに注意し、食品は十分に加熱する
免疫力を保つ習慣
- 十分な睡眠(7〜8時間を目安)
- バランスの良い食事(たんぱく質・ビタミン・ミネラルを意識)
- 適度な運動で体力・免疫機能を維持
- 過度なストレスを避け、疲れをため込まない
感染症は早めの受診・早めの対処が重症化を防ぐカギです。「風邪ではないような気がする」「症状が長引いている」「家族にうつしてしまいそう」と感じたら、ぜひケルソンファミリークリニックにご相談ください。大泉学園駅より西武バスにて「大泉郵便局」下車、徒歩1分。土日祝日・年末年始も診療、オンライン診療にも対応しています。