「最近、同じ話を何度もする」「物の名前が思い出せなくなった」「家族が外出先で迷うようになった」——気になる変化があれば、早めにご相談ください。認知症は早期発見・早期対応によって、進行を遅らせたり生活の質を保ったりできる病気です。
認知症には複数のタイプがあり、それぞれ症状や治療方針が異なります。「もの忘れ=アルツハイマー型」と決めつけず、きちんと診断を受けることが大切です。
ケルソンファミリークリニックは、心療内科と内科を併設した家族向けクリニック。大泉学園駅より西武バスにて「大泉郵便局」下車、徒歩1分です。土日祝日も診療し、オンライン診療・訪問診療にも対応しています。ご本人はもちろん、ご家族だけでも気軽にご相談いただけます。
認知症について

認知症とは、いったん獲得された認知機能(記憶・判断・言語・注意など)が、脳の病的な変化によって低下し、日常生活や社会生活に支障が出る状態を指します。加齢による自然なもの忘れとは異なり、病的な変化が基盤にあります。
日本の認知症患者数は高齢化にともない増加しており、厚生労働省によると65歳以上の高齢者のうち認知症と推計される方は数百万人にのぼります。80代後半では約半数の方が認知症の状態にあるとされ、珍しい病気ではありません。
認知症は、原因となる脳の病気によって主に4つのタイプに分けられます。タイプによって症状の現れ方や治療の方針が異なるため、早めの専門的な診断がその後の生活を大きく左右します。
また、「認知症のような症状」を示すものの、治療によって改善しうる状態もあります。甲状腺機能低下症・ビタミンB12欠乏症・うつ病・慢性硬膜下血腫・薬の副作用などが代表例です。そのため、もの忘れを感じた段階で受診し、原因をきちんと鑑別することが重要です。
ケルソンファミリークリニックでは、心療内科・内科・訪問診療を併設している強みを活かし、ご本人とご家族を地域で支えていく診療体制を整えています。
認知症とは?
認知症は、原因となる病気によって大きく4つのタイプに分類されます。それぞれに特徴的な症状があり、治療方針も異なります。
- アルツハイマー型認知症:脳にアミロイドβというたんぱく質がたまり、神経細胞が壊れて脳が萎縮する。認知症全体の約半分を占める最も多いタイプ。
- 脳血管性認知症:脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって神経細胞がダメージを受けるタイプ。高血圧・糖尿病などの生活習慣病との関連が深い。
- レビー小体型認知症:レビー小体というたんぱく質が脳に蓄積して発症。幻視や手足の震え(パーキンソン症状)、認知機能の変動が特徴。
- 前頭側頭型認知症:前頭葉・側頭葉が萎縮して発症。感情の抑制やルールを守ることが難しくなる人格・行動の変化が目立つ。
これらは単独で発症することもあれば、複数が重なって現れることもあります。また、うつ病や甲状腺機能低下症などがもの忘れ症状を引き起こしていることもあり、「治療可能な物忘れ」との鑑別が大切です。
4タイプの特徴的な違い
- アルツハイマー型:最近の出来事を忘れる「もの忘れ」が初期症状として目立つ。認知症の中で最も多く、ゆっくりと進行する
- 脳血管性:動作の遅れや症状のむらが出やすい。高血圧・糖尿病などの生活習慣病と関連が深く、階段状に進行する
- レビー小体型:幻視・手足の震え・認知機能の変動が特徴。パーキンソン症状を伴うことが多い
- 前頭側頭型:もの忘れよりも人格・行動の変化が先行する。比較的若い年代(50〜60代)で発症することもある
認知症の特徴と症状について

認知症の症状は、中核症状(脳の働きの低下そのもの)・周辺症状(行動や心理の症状)・生活への影響の3つの面に現れます。
具体的な症状例
中核症状
- 最近の出来事を覚えていられない(記憶障害)
- 時間・場所・人の見当がつかなくなる(見当識障害)
- 判断や計画が立てられない(実行機能障害)
- 言葉が出てこない・理解しづらい(失語)
- 慣れた動作ができなくなる(失行)
- 見ているものがわからない(失認)
周辺症状(行動・心理症状、BPSD)
- 不安・うつ気分
- イライラ・怒りっぽさ
- 徘徊・外出して戻れない
- 幻視・妄想(「財布を盗まれた」など)
- 夜間のせん妄
- 介護への抵抗
生活への影響
- 買い物・料理・金銭管理が難しくなる
- 服薬の管理ができない
- 家事の段取りが崩れる
- 人との約束を忘れる
- 車の運転で道に迷う、事故のリスク
- 入浴・着替えに介助が必要になる
ご本人より先に、ご家族が異変に気づくことが多いのが認知症の特徴です。「年のせいかな」と思われた変化も、実は認知症の初期サインであることがあります。気になる変化があれば、早めの受診をおすすめします。
認知症の改善方法と治療について
認知症の治療は、薬物療法・非薬物療法・生活環境の整備・家族支援を組み合わせて進めます。現時点で根本的に治す薬はないものの、早期対応で進行を緩やかにし、穏やかに過ごす時間を長く保つことができます。
1. 薬物療法
認知症の薬は、大きく中核症状に対する薬と周辺症状に対する薬に分かれます。
- アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル・ガランタミン・リバスチグミン):アルツハイマー型・レビー小体型の進行を緩やかにする
- NMDA受容体拮抗薬(メマンチン):中等度〜重度のアルツハイマー型に
- 抗アミロイドβ抗体(レカネマブ等):早期アルツハイマー型の進行抑制(条件を満たした方が対象)
- 抗不安薬・抗うつ薬・睡眠薬:周辺症状(不安・抑うつ・不眠)への対応
タイプによって有効な薬が異なるため、正確な診断と個別の処方が重要です。脳血管性認知症では、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の管理も治療の一部になります。
2. 心理社会的サポート(非薬物療法)
- 認知リハビリテーション:記憶訓練・注意訓練などで脳を使う
- 回想法:昔の思い出を語り合うことで、脳と心を活性化する
- 音楽療法・作業療法:慣れ親しんだ音楽や手仕事で感情と意欲を引き出す
- 現実見当識訓練:時間・場所などを繰り返し確認する
3. 医療・介護連携
認知症は長く付き合う病気です。医療だけでなく、介護や地域の支援と連携することが大切です。
- かかりつけ医・専門医との連携:定期的な診察と状態確認
- 地域包括支援センター:介護保険申請やサービスの相談窓口
- ケアマネジャー:ケアプランの作成・サービス調整
- デイサービス・訪問看護:生活と介護を支える資源
ケルソンファミリークリニックでは、訪問診療を行っているため、通院が難しくなった方も住み慣れた場所で診療を受けられます。
4. 家庭でのサポート
ご家族の関わり方は、ご本人の生活の質を大きく左右します。
- 本人の尊厳を大切にし、頭ごなしに否定しない
- 「忘れたこと」を責めず、その時の気持ちを受け止める
- 生活環境を整える(転倒予防・貼り紙・時計・カレンダー)
- 一人で抱え込まず、専門職・家族会を活用する
- 介護する側も十分な休息を取る
介護者の健康は、在宅生活を続けるための最重要資源です。
5. 生活全般でのセルフケア・予防
認知症の発症リスクを下げる生活習慣や、軽度段階からの取り組みとして推奨されるものです。
- 運動:ウォーキングなど有酸素運動は認知症予防に有効とされています
- 食事:バランスよく、塩分・糖分・脂質を控えめに。魚・野菜・果物を多めに
- 社会参加:人との交流・趣味・ボランティアは脳の刺激に
- 生活習慣病の管理:高血圧・糖尿病・脂質異常症の早期治療は脳血管性認知症の予防に直結します
- 質の良い睡眠:睡眠中の脳のデトックスが認知症予防に関係すると考えられています
認知症は、早期対応とご家族・地域の支えによって、穏やかに暮らせる時間を長く保てる病気です。一人で抱え込まず、まずはお気軽にケルソンファミリークリニックまでご相談ください。大泉学園駅から西武バス「大泉郵便局」徒歩1分、土日祝日も診療、オンライン診療・訪問診療にも対応しています。